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円山応挙ゆかりの金剛寺と近隣の古刹巡り

GW中はどこへ行っても渋滞するので、高速道路は使わず近場で行けるところがないかいろいろ探したところ、京都府亀岡市に円山応挙ゆかりの寺があると知り、急に行きたくなって車でその近くの古刹と一緒に巡ってきた。

私は円山応挙の絵が大好きで、昨年の秋には和歌山県串本の無量寺、冬には兵庫県香住の大乗寺に行って円山応挙とその弟子の描いた襖絵などを鑑賞してきたことをこのブログにも書いた。

私のプロフィールで使っている虎の絵をブログ仲間から時々質問されるのだが、この虎は無量寺にある長沢芦雪の「龍虎図」の虎である。金刀比羅宮の奥書院の襖絵にも応挙の「遊虎図」という絵があり今年鑑賞してきたばかりだが、虎に関しては、私は弟子の長沢芦雪の作品のほうが好きだ。

亀岡にある円山応挙ゆかりの寺とは亀岡市にある臨済宗天竜寺派の金剛寺というお寺で、地元では「応挙寺」とも呼ばれている。
大門寺・穴太寺・金剛寺 017

この山門は明和8年(1771)年に建立されたものだが、本堂や庫裏は平成11年に再建されたばかりのものである。

円山応挙は享保18年(1733)に丹波国桑田郡穴太(あのお)村(現京都府亀岡市)で貧しい農家の次男として生まれ、8歳の時にこの金剛寺で小僧として生活したのだが、同寺の住職であった玉堂和尚から禅の手ほどきを受け、また画才を認められていたそうである。 玉堂和尚が亡くなってから15歳の頃に京都に出て、岩田屋という呉服屋に奉公し、その後びいどろ尾張屋勘兵衛の世話になり、17歳の頃に狩野探幽の流れをひく鶴沢派の画家、石田幽汀の門に入っている。

応挙は既成概念にとらわれない斬新な発想で、従来の日本画にはなかった遠近法や写生を採り入れて画家として大成し、天明8年(1788年)応挙56歳の時に京都が天明の大火でアトリエが焼失し、一時的に亀岡の金剛寺に戻り、両親の追善供養と幼少時代の感謝の意を込め、本堂全面の襖と壁面57面に「山水図」「波濤図」「群仙図」を描き寄進したと言われている。

これらの作品はすべて国の重要文化財に指定されているが、1904年に「山水図」「波濤図」は東京国立博物館に寄託され、「郡仙図」は同寺の収蔵庫に保管され、毎年11月3日「文化の日」に一般に公開されるそうだ。

現在の本堂には「波濤図」の内8幅が複製されており、本堂にいけばその鑑賞が可能だが、 同寺は観光寺院ではないので通常本堂は施錠されており、本来は予約が必要だったようだ。 たまたま、運よく奥さまが庭で掃除をしておられて声をかけると、快く本堂を案内して下さってラッキーだった。

波濤図

本堂の「波濤図」は複製といってもほとんど実物の様で、ダイナミックな波のうねりが圧倒的な勢いで眼前に迫り、襖を開けても閉めても絵がつながるように緻密に構成された素晴らしい構図だ。

波濤図2

これらの応挙の襖絵が、他の作品とともにこのまま金剛寺に残されていたら素晴らしかったのだが、ネットでいろいろ調べると、明治の時期には相当建物が傷んでいたらしく、襖絵も相当傷みが激しかったようだ。そのまま襖絵を傷めてしまうよりかは国立博物館に寄託して文化財を守ることを選択されたのはやむをえなかったと思う。

この金剛寺のすぐ近くに西国三十三箇所第21番札所の穴太寺(あなおじ)がある。ここもお勧めしたい場所である。

大門寺・穴太寺・金剛寺 009

このお寺は慶雲2年(705)、文武天皇の勅願により大友古麻呂が開創したしたとされる。境内には本堂・多宝塔などの建物と日本庭園があるがいずれも江戸時代のものである。
大門寺・穴太寺・金剛寺 012

堂宇も庭園もすばらしく、観光客も多くなくて、心が落ち着く寺院である。

もうひとつ欲張っていったのが茨木市の山奥にある大門寺。摂津国八十八箇所霊場の第五十番札所である。

大門寺・穴太寺・金剛寺 002

寺伝によれば宝亀2年(771)に桓武天皇の兄にあたる開成皇子の開基とされるが、空海がこの地を来訪し、その際に金剛・蔵王の2像を彫刻し守護神にしたと伝えられている。 貞観年間(859~877年)には、本堂・無量寿堂・御影堂・三重塔などの諸堂を境内に有して隆盛していたらしいのだが、建久の地震や元弘の兵火により荒廃し、現在の伽藍は江戸時代初期に再建されたものである。

本尊の如意輪観世音菩薩と四天王立像はともに平安時代のもので重要文化財に指定されているが、秘仏として公開していないようだ。

大門寺・穴太寺・金剛寺 004

参道は苔むして、庭園もよく手入れされている。今は新緑の時期で緑が鮮やかだが、紅葉時期も素晴らしいようで、紅葉の名所としても知られているらしい。今年の秋でも訪れてみたい。

大門寺・穴太寺・金剛寺 006

昔は相当山深い所だったろうが、この近くを新名神高速道路が走るらしく近くで工事をしているのが見える。この鄙びた雰囲気は是非このまま残してほしいものである。

【ご参考】円山応挙の襖絵などがある串本の無量寺と香住の大乗寺

虎なら無量寺の「龍虎図」、串本の昼は萬口の鰹茶漬け
http://shibayan1954.blog101.fc2.com/blog-entry-273.html

香住にある国指定重要文化財を楽しんで~~~帝釈寺、大乗寺を訪ねて
http://shibayan1954.blog101.fc2.com/blog-entry-480.html

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若いころはあまり歴史に興味を覚えなかったのですが、50歳のころに勝者が叙述する歴史が必ずしも真実ではないことに気が付き、調べているうちに日本史全般に興味が広がっていきました。

平成21年にBLOGariというブログサービスでブログを始めましたが、容量に限界がありバックアップもとれないので、しばらく新しい記事を掲載しながら、過去の主要な記事を当初の作成日にあわせて、4か月ほどかけてこちらのブログに手作業で移し替え、平成26年の1月に正式にこのブログに一本化しました。
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