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アイスランドの火山爆発と天明の大飢饉

アイスランド南部のエイヤフィヤトラヨークトル氷河の火山が14日噴火し、火山灰が風に乗って南東方向に広がり16日には欧州北部の上空を覆ってしまった。

アイスランド噴火

ジェットエンジンが火山灰を吸い込むとエンジンが停止する危険性があるため、英国をはじめ欧州各国で空港が閉鎖されたり、旅客機の運航が停止されたりしている。

4/17(土)の日経新聞朝刊に気象庁・火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣会長のコメント欄が目に入ったのでなんとなく読んでみると、すごく気になることが書いてあった。

「… アイスランドでは1783年に大きな噴火が起き、8ヶ月ほど続いて酸性雨や冷害などの影響で凶作になった。牧草が枯れ家畜が死んだり世界の気温が下がったりした。」 「日本で天明の大飢饉が起こったのも、この噴火が影響と言われている。今回の噴火も、仮に(噴火口の)割れ目が広がるなどして長く続くと、日本に同様の影響が出ることも考えられる。」(引用終わり)

天明の大飢饉アイスランドの噴火の影響だったとの記事は初めて読んだ。浅間山の噴火が原因だという説明を何度か読んだことがあるが、日経新聞の藤井氏のコメントが正しいとすれば、今回のアイスランドの火山爆発が長引けば日本の農業にも深刻な影響を与える可能性があるということになる。地球の裏側の出来事がそんな影響を及ぼすものだろうか。

天明の大飢饉をネットで調べてみると、いろんな記事が見つかった。確かにこの時期は火山爆発の多い年だ。

天明の大飢饉

Wikipediaなどの記事をまとめると、まず1783年6月8日にアイスランドのラキ火山が爆発し溶岩の噴出は5カ月続いた。次いでアイスランドのグリームスヴォトン火山も1783年から1785年にかけて噴火している。噴煙は高度15kmまで達し成層圏まで上昇した粒子が地球の北半分を覆い、日射量を減少させて、北半球に低温化・冷害を生起しフランス革命の遠因になったといわれている。影響は日本にも及び、浅間山の噴火とともに東北地方で天明の大飢饉の原因となった可能性がある、と書かれている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E6%98%8E%E3%81%AE%E5%A4%A7%E9%A3%A2%E9%A5%89

ところで天明の大飢饉は天明2年(1782)から8年(1788)の7年間にかけて発生した飢饉である。
日本では天明3年3月12日に岩木山が噴火した記録があるが、浅間山は天明3年5月9日から8月5日まで約90日間活動し、7月28日には江戸で降灰があった記録や、8月3日には銚子の降灰があったなどの記録があるようだ。

浅間山噴火

ここまで調べてみると次の疑問点が浮かび上がる。
<疑問点1>天明の大飢饉はアイスランドや浅間山の噴火の1年前(天明2年)から始まっているのにもかかわらず、なぜ火山の噴火が飢饉の原因だというのか。
<疑問点2>なぜアイスランドの噴火が地球の裏側の日本にまで影響を与えることになるのか。
<疑問点3>浅間山やアイスランド噴火が終わってから、飢饉がそれから何年も続いたのはどう説明できるのか。

<疑問点1>は火山以外の原因なのだろうが今のところよくわからない。<疑問点2>は、いろいろ調べていくと「エアロゾル」と「日傘効果」という言葉に辿り着いた。

この点についてたとえばWikipediaの解説によると、
エアロゾル」とは大気中を漂う塵や埃などの微粒子のことを言うが、エアロゾルが多いほど地表に届く太陽放射の量を低下させるのと、エアロゾルを凝結核として作られる雲が増加し、同様に地表に届く放射量を減少させると考えられている。

「火山の噴火の場合、二酸化炭素などの温室効果ガスがエアロゾルとともに放出され、気温の低下が著しくなる。また、火山の大噴火の場合はエアロゾルが成層圏まで達し、成層圏の強い風によって地球全体にエアロゾルが拡散するために、地球規模で地上気温の低下が起こる。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E5%82%98%E5%8A%B9%E6%9E%9C

また、次のサイトではアメリカに影響が出たのは噴火の翌年であったことが分かる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%AD%E7%81%AB%E5%B1%B1

「北アメリカの1784年の冬は、長く、寒かった。ニューイングランドでは大雪になり、チェサピーク湾では氷点下の日が記録的に続いた。チャールストン湾 (en) ではスケートができるほどだった。南部も雪雲に襲われ、ニューオーリンズではミシシッピ川が凍りつき、メキシコ湾にも氷が浮かんだ。」
と影響がアメリカ大陸にも及んだことが記されているが、これはひょっとするとアイスランドのラキ火山よりも浅間山の噴火の影響の方が大きかったのかもしれない。

<疑問3>についてはたとえば気象庁の解説によると
http://www.data.kishou.go.jp/obs-env/cdrom/report/html/4_1bis.html

「通常、対流圏のエーロゾルは発生から1~2週間で雨により大気中から除去される。しかし、激しい火山噴火によって火山ガスが成層圏に入り込み、そこで火山ガスがエーロゾルに粒子変換されると、対流圏に降下して降水によって除去されるまでに1~2年間を要する。すなわち、この間の気候に影響を与えることとなる。最も新しいところでは、1991年にフィリピンのピナトゥボ火山が噴火して、気候に大きな影響を与えた。近年、この百数十年間において、大規模火山噴火によりしばしば大気が数年にわたり混濁したことがわかってきた」と書いてある。

成層圏に入り込んだエーロゾルの除去にはかなりの年数がかかるのである。
1783年のアイスランドのラキ火山の噴火はその後数年にわたってヨーロッパに異常気象をもたらし、フランスでは1785年から数年連続で食糧不足が発生したらしい。
アイスランドと日本の2か所で起きた大きな火山爆発が大量のエーロゾルを長期間成層圏に送り続け、それが次第に広域に拡散していき、長い間太陽の直射日光を弱め、それが原因となって世界中に異常気象をもたらしたということなのだろう。

ということは、今回のアイスランドの火山爆発が長引けば、いずれは日本の農作物にも影響がくる可能性が高いということになる。

このまま火山活動が長引けば、間違いなく欧州は食糧不足となるだろう。もしそのようなことが起こると世界各国は自国民のための穀物を優先することは確実である。

ところが我が国の穀物自給率は28%しかないのだ。もし今年は我が国の農業に火山の影響がなかったとしても、有り余る農業適地を持ちながら減反政策で休耕地だらけにしている我が国が、市場から穀物を買い漁ろうとすれば世界中から非難を浴びることになるのではないか。いくらお金を積んでも買えないということが起こらないだろうか、などと心配になってくる。

江戸時代に何度か飢饉があったが、南部藩などでは人間の肉まで食べたという悲しい記録が残されているそうだ。本来自国民の食糧を他国に依存しすぎることは非常に危険なことなのだが、その怖さが忘れられてしまっている。

根拠のあやしい温暖化対策や子供手当などに税金を投入するべきではないだろう。今年は、国民の安心安全のために食糧自給率を引き上げる手を打つチャンスの年ではないのか。
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若いころはあまり歴史に興味を覚えなかったのですが、50歳のころに勝者が叙述する歴史が必ずしも真実ではないことに気が付き、調べているうちに日本史全般に興味が広がっていきました。

平成21年にBLOGariというブログサービスでブログを始めましたが、容量に限界がありバックアップもとれないので、しばらく新しい記事を掲載しながら、過去の主要な記事を当初の作成日にあわせて、4か月ほどかけてこちらのブログに手作業で移し替え、平成26年の1月に正式にこのブログに一本化しました。
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