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「おはぎ」と「ぼたもち」の違い

最近いろんなお店で、「おはぎ」が沢山店頭に並べられている。今日は「お彼岸の中日」で、彼岸の時期に「おはぎ」を食べるのは日本古来の伝統である。

ぼたもち

私の京都の実家はお寺で、春や秋の「お彼岸」の法要には毎年沢山の檀家の方々が集まり、昔は集まった皆さんのお昼の食事を、婦人会の方々が手分けして作って振る舞われておられたことを良く覚えている。

そしてこの時期に必ず用意されるのが粒あんで丸く作られた「おはぎ」なのだが、子供のころにこれを「おはぎ」と言うと婦人会の人に「ちがう、『ぼたもち』や」と言いかえられたか、「ぼたもち」と言って「ちがう、『おはぎ』や」と言いかえられたかどちらか記憶が定かではないが、とにかく「おはぎ」と「ぼたもち」とはどこがどう違うのかが良く分からなかった記憶がある。

子供の時にきちんと婦人会の人に聞いておけば良かったのだが、だんだん聞くのが恥ずかしいような年齢になってしまって、良くわからないまま過ごしてきた。

誰でも疑問に思いながら、大人になると聞くことが恥ずかしくなって、知らないままに過ごしていることがいくつかあるのだと思うのだが、こういうことは今はパソコンで検索すれば恥ずかしい思いをしないでいろんなことを容易に知ることができる便利な世の中になっている。

私が「おはぎ」と「ぼたもち」との違いを正しく知ったのは最近の事なのだが、正解は春のお彼岸に食べるのは「ぼたもち」で秋のお彼岸に食べるのは「おはぎ」で、ただ季節により呼び方が変わるだけである。

両者の違いは、外側の餡が粒餡かこし餡かの違いだとか、中が搗いた餅かどうかの違いだかいろんな説明を聞いたことがあったが、子供の時に実家の婦人会の方に作っていただいた「おはぎ」と「ぼたもち」は外見も中身も全く同じあったので腑に落ちなかった。

最近になって、たとえば次サイトの文章を読んでようやく永年の疑問が解消した次第である。
http://allabout.co.jp/career/dictionary/closeup/CU20010905/index.htm

上記の文章によると、「おはぎ」は萩、「ぼたもち」は牡丹が咲く季節と関係している。また、夏や冬にはまた別の名前があることも紹介されている。夏は「夜船」、冬は「北窓」とい言い、いずれも「搗きしらず」、すなわちいつ作ったのか分からないことをひっかけて名づけられているのだが、詳しくは是非上のサイトを参考にしてください。

昔の人は季節の野菜や果物を食し、お菓子まで季節によって名前を変えて、季節の風情を味わっていたということは素晴らしいことではないか。

しかしなぜお彼岸に「おはぎ」や「ぼたもち」を食べるようになったのか。

いろいろ調べると、永田久さんが「年中行事を「科学」する」という本の中で、次のように説明しておられることがわかった。

「ぼた餅」は、日本古来の太陽信仰によって「かいもち」といって、春には豊穣を祈り、秋には収穫を感謝して、太陽が真東から出て真西に沈む春分・秋分の日に神に捧げたものであった。それが、彼岸の中日が春分、秋分であるいう仏教の影響を受けて、彼岸に食べるものとなり、サンスクリット語のbhuktaやパーリ語のbhutta(飯の意)が、「ぼた」となり、mridu、mude(やわらかい)が「もち」となって「ぼたもち」の名が定着したのである。(日本経済新聞社刊 P97)

なんと「ぼたもち」とは日本語ではなく、サンスクリット語やパーリ語だったとは面白い。

こんなことを調べながら、今日のドライブで立ち寄った亀岡市内の店で買ってきたのは本来は「ぼたもち」と呼ぶべきなのだが、パックには「おはぎ」と書いてあった。
日本全国で「おはぎ」と「ぼたもち」の違いが伝承されておらず、季節をめでる風習が消えかかっていることを痛感しつつも、日本茶とともにいただいた手作りの亀岡の「おはぎ」は旨かった。
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京都のお寺に生まれ育ち、大学の経済学部を卒業してからは普通の会社に入りました。
若いころはあまり歴史に興味を覚えなかったのですが、50歳のころに勝者が叙述する歴史が必ずしも真実ではないことに気が付き、調べているうちに日本史全般に興味が広がっていきました。

平成21年にBLOGariというブログサービスでブログを始めましたが、容量に限界がありバックアップもとれないので、しばらく新しい記事を掲載しながら、過去の主要な記事を当初の作成日にあわせて、4か月ほどかけてこちらのブログに手作業で移し替え、平成26年の1月に正式にこのブログに一本化しました。
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