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端午の節句は「ちまき」か「柏餅」か

端午の節句が近づくと、どこのスーパーに行っても「ちまき」と「柏餅」が店頭に並べられる。

ちまきと柏餅70

子供の頃端午の節句の日に友達の家に遊びに行って「ちまき」をごちそうになって帰ることがあった。京都にある実家は忙しくて「ちまき」を作ることは一度もなかったが、当時は近所で「ちまき」を作る家が結構あって、お裾分けしていただくことがよくあった。

しかし、小さい頃に京都で私が端午の節句で食べたのは「ちまき」が大半で、「柏餅」を食べるようになったのはもう少し大きくなったからのような気がする。

そもそも端午の節句に「ちまき」や「柏餅」を食べるようになったのはいつの時代からなのだろうか。またその由来は何なのかがちょっと気になって調べると、次のサイトなどに結構詳しく書いてある。
http://allabout.co.jp/family/seasonalevent/closeup/CU20080421A/index2.htm
しばらく引用すると、
「今からおよそ2300年前の中国に、屈原(くつげん)という詩人がおりました。屈原は国王の側近として仕え、その正義感と国を思う強さで人々から大変慕われていましたが、陰謀によって失脚し、国を追われ…国の行く末に失望した屈源は、汨羅(べきら)という川に身を投げてしまったそうです。その日が5月5日です。」

屈原

「国民は屈原の死を悲しみ、川に沈んだ屈源が魚に食べられてしまわないよう、小船の上から太鼓を叩いて魚をおどしたり、供物を投げ入れて弔いをしていましたが、せっかく川に捧げた供物も、屈原のもとに届く前に悪い龍に盗まれてしまいます。そこで、龍が苦手にしている楝樹(*れんじゅ)の葉でもち米を包み、邪気を払う五色(赤・青・黄・白・黒)の糸で縛ってから川へ流すようにしたところ、無事に屈原のもとへ届くようになったそうです。(引用終わり)」
(*楝樹とはセンダンという香りの強い木らしいが、日本では今では「ちまき」は笹で巻かれている。)

これが「ちまき」の始まりとなって、中国では5月5日に「ちまき」を作って災いを除ける風習ができ、端午の節句となって「ちまき」とともに日本に伝来したらしい。

Wikipediaによると平安時代中期に編纂された辞書である「和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)」には「和名知萬木」と言う名の記事があり、もち米を植物の葉でつつみ、これを灰汁で煮込むという製法が記載されており、当時は灰汁の持つ殺菌力や防腐性をもちいた保存食であったようだ。これが長い年月をかけて次第に変化していったもののようである。

また江戸時代の元禄10年(1697)に書かれた「本朝食鑑」には4種類の「ちまき」が紹介されており、そのうちの1種類は和菓子としての「ちまき」の原型と考えられている。いずれにせよ中国から伝わった「ちまき」が、国内でかなり変化遂げながら、端午の節句に食べる伝統のお菓子としての「ちまき」を食べることが続いているということで、昔のものがそのまま伝わっているわけではない。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A1%E3%81%BE%E3%81%8D

では柏餅はどうかというと、これは日本独特のもので、江戸時代の江戸に生まれたものだ。

柏餅を包む柏は新しい葉が生えないと古い葉が落ちないことから、「子供が生まれるまでは親は死なない」すなわち「跡継ぎが絶えない」「子孫繁栄」に結びついて、男の子のお祝いである端午の節句に縁起のいい食べ物となったということだそうだ。

というわけで、江戸文化を反映して全国に柏餅が広がっていき、上方では伝統を重んじて「ちまき」が伝承され、江戸時代の幕末には関西で「ちまき」、関東で「柏餅」を食べることがほぼ定着し、今でも関西で「ちまき」、関東で「柏餅」が親しまれる傾向にあるというのである。

これで私の子供の頃に京都の実家で端午の節句に「ちまき」を食べることが多かった謎が解けた。

関西と関東の文化が融合して、最近ではどこのスーパーでも「ちまき」と「柏餅」が店頭に並ぶようになった。グルメの私にとっては東西文化の融合は大変ありがたく、今年も両方をいただくことにしよう。
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若いころはあまり歴史に興味を覚えなかったのですが、50歳のころに勝者が叙述する歴史が必ずしも真実ではないことに気が付き、調べているうちに日本史全般に興味が広がっていきました。

平成21年にBLOGariというブログサービスでブログを始めましたが、容量に限界がありバックアップもとれないので、しばらく新しい記事を掲載しながら、過去の主要な記事を当初の作成日にあわせて、4か月ほどかけてこちらのブログに手作業で移し替え、平成26年の1月に正式にこのブログに一本化しました。
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