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祖谷のかずら橋

ずっと前から、徳島県祖谷(いや)地方に行ってみたいと思っていた。どうせ行くのなら、桜の咲きそうな季節にと思い、3/27から2日間家内と祖谷地方から金毘羅さんを巡るドライブ旅行に行ってきた。

早朝に吹田の自宅を出て11時ごろ大歩危近辺にあるもみじ亭で「祖谷そば」を食べ、大歩危の「まんなか」という旅館から出航する大歩危峡遊覧船に乗って吉野川の激流が2億年もの時を経て大自然が作り出した渓谷美を楽しむ。大歩危あたりは比較的吉野川の流れはゆったりとしており期待したほどのスリルはなかったが、景色は充分楽しむことができた。新緑の時期、秋の紅葉期などはもっと素晴らしいことだろう。

祖谷渓・こんぴら 018

祖谷地方に行くには大歩危から山道をさらに20分程度走らなければならない。
祖谷地方は日本の三大秘境の一つに数えられている場所である。三大秘境とは岐阜県白川郷、宮崎県椎葉村とこの祖谷を指すが、祖谷については別に「日本のチベット」とも言われており、平家の落人が住み着いて様々な文化を残している地として以前から興味があった。

今回は日本三大奇橋の一つである「祖谷のかずら橋」の事を書いておきたい。

まず、日本の三大奇橋と言われている場所の確認だが、困ったことにこの橋の中身は諸説あるようだ。

山梨県の猿橋、山口県岩国の錦帯橋の2つはいずれも一致しているが、3つ目は栃木県日光の神橋、徳島県祖谷のかずら橋、富山県黒部川愛本橋とわかれておりどれが正しいというものでもなさそうである。

この橋がいつからできたかについても、弘法大師が架けたとか平家の落人が架けたとか諸説がある。後者に説に関して言うと、平家の落人がこの地に住み着いたことは事実で平家屋敷が数軒残されていることは次回に書く予定だが、かずら橋は源氏の追っ手を防ぐようにかけたという説は確かに説得力がある。

記録では正保3年(1646)の「阿波国図」にかずら橋が7つ存在したと記録されているそうだ。また寛政5年(1793)の「阿波国海陸度之の帳の写」の祖谷紀行には13のかずら橋があったとされている。

阿波名所図会かずら橋

上記の図は、弘化3年(1846)に出版された「阿波名所図会」に書かれているかずら橋の絵だ。

明治44年の「美馬郡郷土史」には8本のかずら橋があった旨の記録があるそうだが、大正時代に危険防止のために全てのかずら橋をワイヤーの吊り橋に架けかえられてしまったらしい。しかし昭和2年に当時の三好郡池田町長が観光客を集めるためにかずら橋を復活すべきと考え、昭和3年に昭和のかずら橋が完成し、現在にいたっているとのことである。(危険防止のため、針金で補強されている)

現在祖谷地区にかずら橋は3つあるのだが、奥祖谷にある二重かずら橋は通行できるのは毎年4月から11月なので今回の旅行では行くのをやめた。

祖谷渓・こんぴら 038

写真のかずら橋は西祖谷山村善徳にあるもので長さが45mあり、祖谷の3つのかずら橋の中では最も大きく、現在重要有形民俗文化財に指定されている。通行料は通常500円だがJAF会員の10%割引があった。

はじめは簡単に渡れるつもりで軽い気持ちで渡り始めたが、橋の床の部分は板が半分、隙間が半分で14m下の谷底が丸見えで、橋全体がゆらゆら揺れるのは結構怖く、カメラのシャッターを押すのに冷や汗が出た。

今もかずら橋は3年に一度架け替えられているのだが、橋に使うシラクチカズラが10年以上前から不足するようになってきたらしい。

以前はシラクチカズラは祖谷の山に沢山あったのだが、植林したスギやヒノキに絡みついて成長を妨げるとして切られるようになったため、急に少なくなったそうである。

何年か前にシラクチカズラの試験栽培を始めるとの記事を読んだことがあるが、うまくいっているのだろうか。祖谷の象徴ともいえるかずら橋はいつまでも残しておいてほしいものだ。

祖谷渓・こんぴら 050

かずら橋を渡るとすぐ近くに琵琶の滝がある。落差30mの結構大きな滝で、かって平家の落人たちがこの場所で都を偲んで琵琶を奏でて慰めあったとの言い伝えがあるそうだ。
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Author:しばやん
京都のお寺に生まれ育ち、大学の経済学部を卒業してからは普通の会社に入りました。
若いころはあまり歴史に興味を覚えなかったのですが、50歳のころに勝者が叙述する歴史が必ずしも真実ではないことに気が付き、調べているうちに日本史全般に興味が広がっていきました。

平成21年にBLOGariというブログサービスでブログを始めましたが、容量に限界がありバックアップもとれないので、しばらく新しい記事を掲載しながら、過去の主要な記事を当初の作成日にあわせて、4か月ほどかけてこちらのブログに手作業で移し替え、平成26年の1月に正式にこのブログに一本化しました。
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